土用の丑の日になぜウナギを食べるの?

平賀源内説の真偽

 

土用の丑の日にウナギを食べる習慣についての由来となったものでは、平賀源内が発案したという説が、現在最もよく知られているものです。この話は、文政5年に青山白峰によって著された「明和誌」の中に収められています。

 

この「明和誌」は、当時の話題になった出来事などを集めたものですが、その真偽のほどは分かりません。さて、この中で平賀源内は、土用の丑の日に「う」の付くものを食べると夏バテしないという民間伝承から、ウナギを食べることを推奨しています。

 

しかし、この民間伝承を根拠とするならば、土用の丑の日に食べるものはウナギだけではなく「う」の付くものでいいのだから、うどんでも梅干でも良いことになります。また、丑の日なのだから、牛を食べればいいのでは?と思う人もいるかも知れませんが、当時の日本では、まだ牛を食用にする習慣がなかったので、この疑問は問題とはなりません。当時の牛は、肉や乳を供するものではなく、もっぱら労働力として重宝されていた動物であったのです。

 

しかし、こうなってくると、ウナギを取り巻く業界の戦略というものが見え隠れしてきます。ウナギを食べることに確固とした由来があるわけではありませんが、とにかくウナギを売る宣伝にはなります。この辺り、バレンタインデーのチョコレート戦略とちょっと似ています。

 


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